05年12月 「寒がり」

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おやすみなさい  :杏子 12/22


寒がりな私は毛布の中へもぐる
くるくるしていると温かくなってくる
手足の冷たさが遠くなっていくのが分かる

ああ、私は人間に生まれなかったら
きっと猫になっていてコタツの中に居たかな
コタツの中で暖かな光を浴びながら目を閉じる
冬なんて嫌いだと思いながら好きになるだろう

そうなっていたら幸せと言えるかもしれない
少しだけ幸せの輪郭を指でなぞれるかもしれない

猫と人間のことを思い浮かべながら
私は包まった毛布の中でゆっくりと眠る
寒さを忘れながら嫌いなものを忘れながら

誰ひとりにも「おやすみなさい」と言わずに

毛布は暖かくて寒がり忘れさせてくれる


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